| 愛宕山医王寺円乗院東円坊略縁起 |
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四季を通じて風景絶佳の狭山丘陸の静かな山ひだの一角に建立された愛宕山医王寺円乗院東円坊は、真言宗智山派に属する寺院であって、狭山薬師第三十四番及び多摩四国八十八ヶ所第三十八番の霊場であり、また武蔵野三十三観音第八番の札所でもある。御本尊には錐鑽不動明王を安置しその側に薬師如来をはじめ札所の御本尊如意輪観世音菩薩と愛宕権現本地彿の勝軍地蔵尊などの諸彿が安置されている。
当山は、過去に不慮の災禍に遭遇して古記録がすべて滅失した故、草創開基については、不詳であるが、当山第二十四世法印宥専が造立したる当山歴代塔に、賢誉法印(平治元年(1159年)2月8日寂す)を始祖とし、新編武蔵風土記稿および、その他の地誌類にも、当円乗院の開山は賢誉法印として記してあるので、当山の来歴の古さが推察せられる。寺伝によれば、当円乗院は、古くは延寿院と呼び後ヶ谷村(現在は東大和市狭山)の「上の屋敷」というところにあって、恵心僧都の作と伝える秘彿の薬師如来を御本尊として安置した。
当山第十七世秀範法印の代、慶長12年(1607年)8月18日の風災によって坊舎が悉く吹き潰されたので、寺を狭山南峰の愛宕山(現在の場所)へ移し、山号を愛宕山とし、院号を円乗院と改めた。その後第二十世賢範法印代に、帰依によって紀州十三仏霊場第一番札所、近畿三十六不動第三十四番札所新義真言宗総本山根来寺に奉安の錐鑽不動尊像を写して当山の本尊とした。
第二十三世法印宥賢の頃には、当地方において愛宕信仰がさかんであったようであり、宥賢法印は所願成就の願主として享保3年(1718年)6月15日に、山内鎮守の愛宕大権現の御宝前に石灯籠を造立し、また御本尊の尊体を修覆し本堂庫裡再建の大業を成し遂げ、更に法資を養成して密教の興隆に盡力したので、遺弟が宥賢法印を当寺の中興と崇めた。次いで第二十四世法印宥専は、享保16年(1731年)8月15日に石神井三宝寺第二十世日盛法師より法流を相承して、当山法流開基となり、当山は、香衣一色着用の寺格となった。かくて第二十五世乗誉法印の代、寛延2年(1749年)十月に本堂の前方に鐘楼門建立し同時に洪鐘を鋳造した。大檀越となって鋳成されたものであったが第二次世界戦争の際に金属類供出命令によって供出した。現在のものは昭和42年8月12日(1967年)再鋳成されたものである。その後、第三十三世法印宥祥の代に本堂庫裡を再建し、文化6年(1809年)10月に木食法如上人(文化9年(1812年)7月6日寂す)を請じて三日三夜に亘って入佛供養のため、光明真言士砂加持并に大施餓鬼会を厳修した。
第三十四世法印允重は、天下泰平万民和楽祈願并に追薦供養のために宝筺印塔建立を発願したが果たさずして示寂されたので、後住の明瞬法印が先住の志を承けて総檀家中と念仏女講中の助力により文政4年(1821年)に塔の造立を成し遂げた。これが大玄関前の宝筺印塔である。ついで第三十六世法印宥諄は、大般若経六百巻を勧進して当山に備えた。かくて寺門は益々興隆したが、明治元年(1868年)3月28日に太政官布告を以って神仏分離が断行せられ、山内鎮守の愛宕大権現は、本地仏の勝軍地蔵尊像を寺に移し、改めて愛宕神社として、当山の管理を離れた。その頃当山の所化の秀鏡が還俗して、後藤兵庫と改称し、愛宕神社の神官となった。
明治政府は、神仏分離に次いで、江戸時代以来の寺院付属朱印地除地を命じたので、寺院は一斉に経済的にも宗教活動の上にも大きな痛手を蒙った、その上に、当山は明治17年(1884年)12月8日に本堂庫裡が火災のため灰燻に帰して、寺運は愈々哀頽した。その後、間もなく庫裡は再建されたが、本堂は幾たびか星霜を重ねても再建するには至らなかった。昭和9年(1934年)10月15日に、現長老(前住職)当山第四十五世として晋住し、その復興を志ざし、総檀徒縁者などの助力を得て、漸く昭和23年(1948年)12月12日、本堂再建慶讃法要を執行した。やがて鐘楼門の改修(昭和43年 1968年)、庫裡客殿再建(昭和48年 1973年)大本堂再建(昭和54年)など寺域を遂時整備して、開山以来、八百余年の歳月を重ねる間に盛衰はあったが、法燈の絶えなかった当山の誇りがいささかながらここに保たれたのである。その後、平成10年(1998年)6月には第45世正存大僧正が勇退され、小見僧正が法流相承され平成10年10月15日に第46世に就いた。
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(附記)
当山の付近の土地からは、江戸時代の頃に多数の板碑が出土したことが記してある。寺では九枚の板碑を保管しているが、その中の徳冶2年(1307年)のものは、東大和市の指定文化財として保存されており当寺の歴史を伝えている板碑である。狭山南峰の出鼻にある霊性庵観音堂は、古くより、当円乗院の境外佛堂であり、恵心僧都の作と伝える如意輪観音を御本尊とし、狭山三十三観音第十七番札所となっている。 |
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| 圓乗院 年中行事 |
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| 1月1日 |
新年祝祷大護摩供 |
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| 2月3日 |
節分会 |
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| 2月15日 |
常楽会 |
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| 3月21日 |
彼岸会・正御影供 |
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| 4月8日 |
花まつり |
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| 5月下旬 |
山草とサツキの展示会 |
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| 6月15日
17日 |
引法・興教両大師誕生会 |
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| 7月1日 |
盆供受納日 |
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| 7月25日 |
大施餓鬼会 |
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| 8月1日 |
孟蘭盆会 |
| 8月下旬 |
地蔵まつり |
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| 9月23日 |
彼岸会 |
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| 10月15日 |
大般若会 |
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| 12月12日 |
報恩講・陀羅尼会 |
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| 12月大晦日 |
年越まつり |
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